よりそいアロマケアとは

1.     アロマケアとは何か:アロマテラピーとアロマケアの違いは何か

 

アロマテラピーとは

 

アロマテラピーとは、一般に「植物から抽出される精油の香りを用いて心身の不調を改善・緩和し、健康維持・予防に役立てる自然療法」とされています。

 

アロマテラピーで使用される精油は、いくつもの芳香成分の混合体で、その成分一つひとつに、抗菌・抗炎症・自律神経調整作用などの薬理作用があります。

 

ヨーロッパでは医師の処方により、薬局で精油を調合し、薬に準ずる取り扱いをされています。一方、日本では香りを楽しむリラクゼーション用途が多いですが、最近は医療や介護の現場での利用も増えています。

 

アロマケアとは

 

アロマケアとは、アロマテラピーの特長を活した施術により、きめ細かな心身のケアを行うことです。

 

アロマケアでは、ケアの対象者の症状や心身の状態に応じて適切に調合した精油を用います。そして、精油の薬理成分による種々の効果を活用しながら、さまざまな施術を行います。

 

アロマケアの目的は、膝の痛み・むくみ・咳・睡眠障害などの不快な症状の緩和です。さらに、大病に至る前の未病ケアを行うことです。これにより対象者の生活の質を高め、健康の維持・向上を図ります。

 

2.よりそいアロマケアとは何か

 

よりそいアロマケアとは、 “ケアする相手に寄り添い、相手の心身の状況を察知し、相手の心と対話する”というスタイルをプラスしたアロマケアです。

 

よりそいアロマケアは、私・松本裕子の体験に基づく独自のメソッドです。

 

私は、これまで16年間在宅介護を行った亡き母を含め、病気で健康を失い、生きづらくなった多くの方々に接し、アロマケアを実践してきました。

 

多くの実践を通じて学んだことは、これらの方々が抱えている『言葉にできない悲しみや苦しみ(スピリチュアルペイン)』を察知し、適切な精油を用いて、相手とコミュニケーションを取りながらケアすることで、痛みからの解放、むくみや咳の緩和、肌の艶の快復、不眠症の改善など、不快な症状が緩和されていくことでした。

 

特に重要なのは、相手とのコミュニケーションを取りながら、アロマケアを行う点です。

 

ケアの対象者には、介護施設や老人ホームのご入居者が多いのですが、様々な理由で普段会話の機会が少ない方が多いです。こうした方は、アロマの香りと適切な施術で癒されて、気持ちが解放され、会話が多くなり、本来の明るさや元気を取り戻します。

 

一方、病気でほとんど会話ができないご高齢の方も少なくありません。しかし、こうした場合でも、アロマの香りと施術の力で、拘縮した身体が緩み、笑顔が見られようになり、感情が豊かになっていくこともしばしば拝見されます。

 

言葉による会話ができなくても、アロマケアの施術をしながら、相手の心身の状況を察知することを通じて、実は「相手の心と対話」しているのです。これこそが、よりそいアロマケアの本質です。

 

また、長年の介護体験から、「ケアする側(家族や介護スタッフ、医療従事者など)にもよりそったケア」をするのも、よりそいアロマケアのスタイルです。

 

よりそいアロマケアの目的は、その人の本来の明るさや元気を取り戻し、生命力を引き出していくことにより、生活の質を高めていくことです。